これからの携帯業界に寄せる期待と不安など


2006年は空前の端末ラッシュ──その傾向と問題点


年末になって、携帯機種のランキングや業界を振り返る記事が多くなってきました。
今年はMNPもあってか携帯業界にとって波乱の(?)1年だったのではないかと思います。
それでは、続きの部分から、個人的に気になったポイントを交えて振り返ってみたいと思います。


折り畳み(クラムシェル)以外が認められ始めた!

使ってみてどうかという購入後の満足感を重視するメーカーが伸びた年だと思います。例えばカシオの「W41CA」や、スライドスタイルを採用する三菱の「D902iS」「D903i」などがそれに当たります。地道に使い勝手を良くしてきて、不満の出ない作りになったものが評価された。
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  :(中略)
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単純な折りたたみはダメで、シャープが打ち出したサイクロイドのような特殊な機構が注目されたり、スライド端末が再評価されたりしている。

回転2軸はもちろんですが、スライドも、昨年のD902iのヒット(三菱電機としては久しぶり)から始まり、後継機種もなかなかの売れ行きだったと思います。
純粋な折り畳みよりも、ストレートやスライドの方が、画面を確認し易いことから、売り上げが伸びた(=これからの機種にも期待)のはうれしい限りです。


メーカー毎の差別化

auではメーカーを変えてもあまり迷うことがない。一方で、メーカーの個性が消えるし、メーカーが創意工夫する場所、UIを使いやすくできる要素が減ってしまう。これは損なわれる部分ですよね。

自分が求める基本機能さえ付けてくれれば、それでも構わないと思っております。
ただ、これによって失った個性もあり(例えばauなら日立のきくばりスイッチ)、ドコモでも富士通と三菱の協業により、2タッチ入力が無くなってしまったことから、警鐘を鳴らす部分もあります(2社は、入力方式についてはしばらく手を付けていないらしい・・・)。
ちなみに、海外には、きくばりスイッチのようにマナーモードを変更可能な端末もあったりします。

そういう意味では、メーカーは特徴的な機構を持っていないとダメなんですよ。先にも挙げましたが、シャープのサイクロイド液晶だったり、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズが「W44S」で採用したデュアルオープンスタイルだったり、あるいは三菱のワンプッシュスライド、パナソニック モバイルコミュニケーションズのワンプッシュオープンみたいなものが必要です。

個人的には、横にできるサイクロイドや他のスライドと差別化を図ったワンプッシュスライドは評価しております。
特に後者は、キーロックの進歩に伴って、より使いやすくなったと思います。
D902iSでどこでもキーロックが可能となり、D903iでタイマーキーロックまで加わったので、誤操作がより少なくなっていると感じます。
しかし、ワンプッシュオープンは・・・スライドよりも重くて使いにくい・・・。


海外メーカの存在
どうやら、サムスンの開発スピードは、シャープやパナソニック以上のようですね。
国内以上の薄型も出してきて、その存在感は少し増している気がします。

韓国メーカーの携帯電話が日本でアリという可能性があるとすれば、日本メーカーと同じ路線、同じ方向性ではなくて、日本メーカーが絶対作れないものをやることです。

これは是非やってほしいですね。
海外メーカは、スマートフォンも出していることですし、SGH-i320のような端末をUMTSで出し、ドコモでも評判のMOTORAZR(M702iS)を出したモトローラも、「Moto Q」のような端末が出れば・・・なんて思ってしまいます(ダメ?)
Nokiaも、Nseriesの個性的な端末が出れば、ライトユーザへ迫求するものが増えるのではないかと。


SIMロックフリーへの期待

海外メーカー端末に関連することでは、キャリアにSIMロックフリーのスタンダードモデルに対する特別料金プランを作ってほしい、というのがあります。

これも大いにやってほしいです。
最近は、白ロムの購入や持ち込み端末での契約もあります。
これで、インセンティブと同じ契約をされたらたまったものではありません。
悪用する危険な者もおりますが、海外でプリペイドSIMを使いたい人もいるし、何よりも基本料が安くなることは大きいです。
ネットワークの設定も自分でやってしまえばいいわけですし・・・。


しかし、神尾さんや石川さんも仰る様に、どちらかだけではダメなんですよね。
従来のままだと、早期解約や使用料の高さ、そして、リテラシーの低いユーザが多いまま、簡単な携帯しか出なくなる可能性(一部では必要だが個人的には危険視している)があります。
SIMロックフリーしかないと、端末価格の高さと自分でやる設定作業の多さから、パワーユーザや一部のマニア以外は寄り付かないし、ライトユーザが寄り付かないことでデジタルディバイドが加速する可能性も孕むのではないでしょうか。
(携帯がないと、ネットで情報を得られない層もいると思われるので。私はあまり痛くないですけど)
何はともあれ、共存の道は模索してほしいと思います。

ソフトバンクも、スーパーボーナスのような割賦制をただやるだけではなく、完済した端末へのSIMロック解除も検討しないと殆ど意味がない気がします。
今のところ、最も近く、望ましい料金形態をとっているのはウィルコムかなあと。
(W-SIMは国際標準のSIMとの互換性がありませんが、ある意味セキュリティかも?)


長々と書いてしまいましたが、来年の携帯業界には注目したいところだと思います。

予断ですが、個人的には、ストレートタイプ(もしくはスライド、フリップ)やスマートフォンのラインナップ強化、D端末のベル打ち復活(超個人的ですが)が叶ったら万々歳です。